ヌンチャクの大冒険
はぁ・・・はぁ・・・やっとここまでたどり着いた・・・!ここに到達するまでに相当な長い道のりだった・・・。
振り返るとクリボーに体当たりされて1ターンキャンセルされたり、ジャンプしたら空を飛ぶ亀に襲われたり、なぜか大砲の玉の様に突っ込んでくる謎の鋼鉄の物体に追いかけたり、2本足で立つ亀にハンマーを投げつけられて遠隔ランドインパクトされた時には攻略に3週間の時間を要した。それはもう涙無くしては語れないエピソードの数々がそこにはあった。
たたむ。
しかしようやくたどり着いた。それもこれも、会食中にさらわれたピンク色の姫を助けるため。ははは、まったくドジなやつだ。
赤い斑点のキノコを食べてなぜかちょっと気持ちが大きくなった時もあった。緑の キノコを追いかけて食べたらなぜか僕が1人増えた気持ちになった時もあった。キラキラ光る星を手に入れたらすごい!体が七色に輝いてどんな敵にも負けない強い体を手に入れたと思ったら崖に落ちた時にはもうダメかもしれないと思った。笑顔がかわいい花を食べると何故か職業にかかわらずメラを打てるようになった時には革命的なバージョンアップだと喜んだ。
何故か、風呂敷を背になびかせればトベルーラが使えるようになった。風呂敷をくるくる回せば不思議なことに布がどんな物も切り裂く刃物となり襲い来る敵を抹殺する事が出来たが背中に無数の切り傷が出来る事が嫌で風呂敷は捨てた。タヌキのコスプレに身を包み動物園の折の中で子供を喜ばせるバイトを思いついた時には我ながら名案だった。
しかしそれでも路銀が足りない時には地蔵のコスプレをして足元に空き缶を置き道行く人にお賽銭を頂戴していた時には人としての大事な物を失った気持ちにもなった。
車を手に入れた時は喜んだ。RPGの世界では乗り物を手に入れたら一人前に冒険者と認められる風潮があるからね。僕はもう立派な冒険者だと自画自賛したし、それにいよいよ乗り物を入手するまでに物語が進んだと思ったからだ。しかしそこからが地獄だった。
なぜか緑色の甲羅が飛んできて交通事故を起こすこともあった。あの時ほど自動車保険の素晴らしさに感動したことはない。なんぜ車が新品で戻ってきたんだぜ。でも冒険にはトラブルは付きものさ。ふふふ、あの赤色の甲羅を避けきった時には手に汗を握ったら我ながら素晴らしいハンドルさばきだった。
そのドライビングテクニックを買われてグランプリなんてものに出てみたら虹色の道を走らされて幾度も道からフェードアウトしたがその度に死を覚悟し走馬灯の様にこれまでの人生と姫の事を思い出したが雲に乗った釣り人に神がかったテクニックで釣り上げられた時には「早く楽になりたい、もう殺してくれ」と思った時もあった。
しかし!!!!!
その数々の試練、困難、苦悩もいよいよ終わりを迎えるのだ!
待っていてくれ、姫!
今すぐ最後の敵を倒して助けに参る!!!!!
はああああああああああ・・・・・!!!!
はあっ!!!!!
マッチングしませんでした。
いや~~~、流石に朝の6時30分からの挑戦は無理があったか。
おしまい。