「今日はどうでしたか?」と言う質問が割と困る
ドラクエ一切関係ない。
僕は今、バイクの中型免許の教習に通っているのだが。
昨日も聞かれてしまった。
「今日はどうでしたか?」
もう数回の教習を済ませているのだが、
授業の終了間際に教官が繰り出してくるこの質問は毎回僕のハートをダイレクトアタックしてくる。
困る。
まず何故にこの「今日はどうでしたか?」と言う質問が困るのか?と言うと、
「もう、どうもこうも何が何だかわからない」と言う状況だからである。
35歳の僕は今まで50ccの原付にしか乗った事は無く、突然現れた超新星とも言える教習車は400cc。
およそ8倍。重さは250Kg。
教官はそれを普通に僕にあてがってきた。
「今までバイクの経験は?」
『原付くらいです』
「原付乗ってたら行けますね」(原文ママ)
あ・・・そう言うモンなんだって思った。
でも事実は違った。
そんな生易しいモノではなかった。
だから大袈裟な話では決して無くて実際事実として
どの位アクセルを回せば車体が反応するのか
ブレーキの掛け具合
車体を支えるバランス
クランク
ここに列挙すればもうキリが無いが、とにかく何を答えれば正解なのかわからないのだ。
いや勿論、上記の事を答えたら良いと言うのはわかっている。
じゃあ、何と答えるのか。
「今日はどうでしたか?」
『そうですね~~~!!!どの位アクセルを回せば車体が反応するのかって言うのもイマイチよく分かりませんし、ブレーキのタイミング??掛け具合??何かも僕が止まるのではなく世界が僕に合わせて動けば良いと思いますし、車体を支えるバランスもちょっと諦めて補助輪をつける方向で何とかなりませんかね?』
絶対に違う。
これ、ただの面倒臭い生徒でしかない。
逆にウザイでしょう。
教官からすればもう関わりたく無いし、出来ればもう通ってこないで欲しい。
つまり、僕は分からない事の項目自体は持て余す程に持ってはいるのだが
教官の質問が漠然とし過ぎていて、何と答えるべきか悩むのである。
「今日はどうでしたか?」
しかも。
今ここに書いたのは【教官が教習に限定して質問している】前提である。
しかしもしかしたらそうでは無いかもしれない。
「今日はどうでしたか?」
『ちょっと正直ダメかと思っていたクライアントとの商談がまとまりましてね。これで一気に業績アップですよがーーはっはっは!』
「おーー!それはよかったですねちょっと今夜は飲みに行きましょう」
こう言うパターンもある訳です。
「今日はどうでしたか?」
『嫁と喧嘩していたのですが、更に喧嘩に熱が入りましてもう冷戦状態ですよ!』
「心中お察しします」
ここまで言えば分かるでしょうが
この「今日はどうでしたか?」と言う質問は、
発信者は何気に普通な質問に見えて、しかし回答者に取ってみると実に奥が深くそれで居て理不尽と言っても良い質問である訳です。
実に悩ましい。
何気なく
「今日はどうでしたか?」
『あ・・・ああ・・・』
『えっと・・・えっと・・・』
10秒経過
完。
質問が漠然とし過ぎていて難解すぎる。
しかし、事実なのだ。
そして教官の印象は「何と会話のできない男なのだろうか嘆かわしい」となる。
つまり、ココで求められるのは
「今日はどうでしたか?」ではなく「今日のアクセルはどうでしたか?」等とその質問のポイントを示してくれる事だ。
ちょっとポイントを示されるだけで、すごく不思議と答えやすい質問になるではないか。
ちょっと想像してみて欲しい。
例えばタクシーに乗ったとしましょう。
貴方はタクシーに乗りました。
料金を払うときに運転手が一言
「今日はどうでしたか?」
『・・・は?』
なにが??ってなるでしょう?
いやいや『どうもこうも無いですよ』ってなるでしょう。
でも、これが料金を払う時に運転手が一言
「今日の僕のアクセルの踏み具合はいかがでしたか?」
と聞かれたら
『お、おう・・・まあちょっと雑な瞬間もあったけど概ね良いんじゃないかな、その調子で頑張ってよ。』
ってなる訳です。
この様に「アクセルの踏み具合」とポイントを示してくれる事に寄って、初めて会話が成り立つわけです。
では教習に話は戻りますが
「今日のアクセルはどうでしたか?」と聞いてくれたら、
『うむ悪くない。ただちょっと遊びが大きい気がする。次の教習までに遊びの部分を改善しておいてくれたまえ』
「今日のバイクの調子はどうでしたか?」
『ガンダムにドッキングしても、マニュアル無しで操縦できそうだ』
「一本橋はどうでしたか?」
『ちょっとバランスが取りにくいね』
「では一本橋は検定から外しましょう」
『話がわかる』
となる訳です。
この様に、話のポイントがあって初めて会話のキャッチボールが成り立つ訳です。
しかし、現実問題として襲い掛かってい来るのは
「今日はどうでしたか?」
「今日はどうでしたか?」
「今日はどうでしたか?」
これはもう教官の意識の問題ではないだろうか。
無意識ゆえの質問。
無我の境地。
ではちょっと提案だが、
上記この「今日はどうでしたか?」問題を解決するには、その無我の境地を抜け出してもらって意識改革をして貰うしかない。
もう早い話が聞いてきた教官が悪い。
漠然とした質問をしてきた教官が悪い、そうに違いないそうに決まってる。
会話と言うのは言葉のキャッチボールなのだから。
キャッチ出来ないボールを投られて居ては、キャッチボールは成立しないのだから。
ではどうやって意識改革をしてもらおうか。
「今日はどうでしたか?」
『質問の意図が見えません。何についての感想をお聞きになられたいのでしょうか?』
惜しい。
言いたい事は明白だし、要領も得てはいるのが悲しいかな感情を置き去りにしている。
こんな文句を吐き出そうモノなら感じた事の無い程に空気が凍りつく。
では、こう言うパターンはどうだろうか。
「今日はどうでしたか?」
『言ってしまいましたね・・・』
「な、なんだと・・・??」
『はーーーはっはっは!!!僕は待っていたのですよ、その言葉ををををw・・・!!!!』
「ま、まさか罠!!」
(ニヤリと笑い)
『気が付いた時にはもう遅い!
リバースカードオープン!!!!
マジカルシルクハットーーーーーー!!!』
「な、なにぃぃぃーーーーー!!!」
『さぁ、この4つのシルクハットの中に【話のポイント】を隠したぜ・・・
ハズレを引かない様にせいぜい気をつけて質問してきな!』
「ま、まさか軽く質問しただけで・・・
よーーっし!!!左から2つ目のシルクハットに質問じゃあああああ!!!!」
「今日はどうでしたかああああああああああ!!!!!!!!」
『はあーーーーーーはっはっはっは!!!!!そのシルクハットはハズレだあああああ!!!!』
「だあああああああーーーーーー!!!会話不成立ーーーーー!!!!」
って言う感じで行くと何か上手く楽しそうにまとまりませんかね。
あ、こんな時間だ。
教習の時間なんで行って来ますね。
ではまた。